『だるまちゃんとかみなりちゃん』詳細
さく/え | 加古 里子 |
出版社 | 福音館書店 |
発行日 | 1968年 |
ページ数 | 28 |
サイズ | 27×19.5㎝ |
あらすじ
だるまちゃんはある日、かみなりちゃんと出会います。
かみなりちゃんを助けようと奮闘するだるまちゃん。
お礼にかみなりちゃんの街へ連れて行ってもらいました。
かみなりちゃんは一体どんな街に住んでいるのでしょう?
個人的おすすめポイント
- 想像力が刺激されるかみなりちゃんの街
- 登場人物の豊かな表情
- 最後のページの「作者のことば」
絵本紹介
有名な”だるまちゃん”シリーズ。梅雨の頃、本屋さんの絵本コーナーに並べてあって、季節ものも欲しいなと思って買った一冊です。
意外にも、登場人物は一切しゃべりません。地の文がセリフや状況を伝えてくれますが、描かれている彼らの豊かな表情はとても愛らしく、自然と会話が聞こえてきそうなほど生き生きとしています。
かみなりちゃんの街の様子は細かく描かれ、この世界について、きっと細かく考えられたのだろうなぁとすみずみまで見たくなるほどに描き込まれています。見ていてワクワクするのはもちろん、そう言えば世界を想像する楽しさって、こんな感じだったなぁと夢想していたあの頃を思い出すような懐かしさ。
絵本の内容ももちろんですが、個人的に更に注目してほしいのは最後のページに記されている「作者のことば」
子どもの頃、まだ文字が読めない時には気が付かない、読めたとしても理解するのはきっと大人になってから。そんな大人に対して寄せられた秘密のメッセージには、作者の思いが込められていて、「なるほど、そういう工夫があったのか」と絵本をもう一度最初から読み返したくなる。
自由に読む楽しさと、意味を見つけて読む楽しさが両方味わえる絵本です。
2歳の娘の反応
2歳の娘はかみなりちゃんが登場するときの一文を読み上げたくて、そこは自分が読む!とはりきっていました。
ちなみに、私が大好きなところもこのかみなりちゃんが登場するシーン。
大きく息を吸い込んで、娘を驚かせる勢いで――。
後半の想像力が掻き立てられる場面も好きですが、私は前半のだるまちゃんがかみなりちゃんを助けるシーンもとっても好きです。
だるまちゃんのやさしさが愛らしく表現されていて、子どもなりに考え考え、問題に立ち向かっていく姿がとっても微笑ましい絵本です。