『14ひきのおつきみ』詳細
さく | いわむらかずお |
出版社 | 童心社 |
発行日 | 1988年6月25日 |
ページ数 | 32P |
サイズ | 26.6×19.0㎝ |
あらすじ・内容
今日はお月見。
ねずみの兄弟たちが力を合わせて一生懸命何かを作っています。
そうこうしているうちに、さぁ、日が沈んできました。
あたりは暗くなり、いよいよお月様が昇ってきます。
個人的おすすめポイント
- 繊細なタッチですみずみまで表現された自然の美しさ
- あちこちから声が聞こえてきそうな、ねずみたちの動き
- 表紙のカバーは捨てないで!
絵本紹介
娘の保育園の部屋に置いてあったので、お月見に合わせて買ってきた絵本。
私が子供の頃からある本で、読んだこともあるはずだったけど、大人になって改めて読んでみて、そのあまりの美しさに心が動いた。
日本の自然の美しさを細かい部分まで描き込み、色の表現もなんてすばらしい。
虫に食われた葉、先の方が少し変色した葉、夕日色に染まる世界、日没後の色。そして、月が顔を出し始めた頃と、空高くのぼった時の色の違い。
あまりにも細かく描き込まれた絵を邪魔しないように、もしくは、描き込まれた絵で見にくくなるのを避けるように、白地の下部に置かれた文章は、簡単で読みやすく、3歳にもわかりやすい表現だけれど、その画力は大人も十分に楽しめる。
すぐにページをめくるのがもったいない。すみずみまでじっくりと見たくなる。
そしてもう一つ楽しいのは、ねずみたちの動き。
なんせ14匹もいるものだから、文章だけでは全てのねずみの動きを追うことができない。
地の文では「ろっくん」の話をしているけれど、その奥では「なっちゃん」が「くんちゃん」をブランコに乗せている。
「いっくん」が笛を吹き、「にっくん」が何か食べていて、
「よっちゃん」や「さっちゃん」はおじいさんおばあさんらと楽しそうにお話している。
ページをめくるたびに、見開き2ページのあちこちから会話が聞こえてきそうなねずみたちの描写。会話を想像したくなる。いっそこの美しい世界に飛び込んで、ねずみたちと一緒に遊んでみたい。
そして絵本についている表紙のカバー。子どもが読む時に読みにくいので我が家では外して渡していますが、実はこの絵本、カバーを外すとちょっとした楽しみ(?)が。
大好きな絵本!これは全シリーズ揃えたい!
3歳の娘の反応
ただ一つ残念なことは、保育園ですでに見ているからか、家で読もうとしても娘がそれほど興味を示さないこと(笑)
この絵本は自分のために買い揃えることになりそう……。